「ストレリチア」
STORY5「そして新たな一歩」
彼の姿が遠くにかすみ、彼がかかえていたはずのストレリチアの花は美しい鳥の姿に変わった。
いま見た情景は幻でしかなかったのか…。
そうではない。
私は確かに私がいた世界に束の間戻り、決断までの猶予が与えられたのだ。
あれほど恐ろしく感じた美しい鳥を私は優しい存在と感じるようになっていることに気付いた。
全ての罪が洗い流され、核だけになっていくようなこの感覚。
私をとりかこんでいた全てが、目の前で通り過ぎてゆくように思える。
この渡り廊下のような世界で私は全てを見て、全てを捨ててゆくのか。
さあ、時は満ちた。
そして、私は私が決めた道を行くのだ…。