【被災地支援】【第3回東北ツアー日記 その1】準備編



げんきに歌おう!プロジェクトの第1回ツアーは5月半ば。
第2回ツアーは7月半ば。そして今回が第3回目。
3回のツアーで20カ所での演奏活動を行いました。

狙っていたわけではないのですが、奇しくも全てその月の第2週目にツアー決行しています。
(わたしのカルチャーセンターのスケジュールの関係でそうなりました。)
ですので震災2ヶ月目(5/11)、4ヶ月目(7/11)、8ヶ月目(11/11)の節目に演奏させていただきました。
それぞれ被災者の方々の思いが大きくなる次期でもあり、私も演奏しながら色々なことを感じ、考えました。

この連載はちょっと長くなると思いますが、記録として残すためにも丁寧に書きたいと思います。
ボランティア演奏のノウハウも書ける分だけ書きますので、同じような活動をしたい方は参考にしていただければと思います。

木村聡子PR
木村はオタクですが本業はプロの歌手・声優です。(ProfileVocal
主な出演作:ディズニー「魔法にかけられて」ジゼル(主役)・「アナと雪の女王」
「美女と野獣2017」・「名探偵コナン~戦慄の楽譜~」千草らら役歌唱 など。
メインのSNSはFacebookで、twitterに転送してます。
Instagram(親バカ写真)もちょこっとやってます。
Welcome Symphony
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◆準備◆

実際のツアーに行く前にやらねばならない準備はおおむね以下の通りです。

  1. 日程決め
  2. ホテル予約
  3. 演奏受け入れ先交渉&時間帯決め
  4. 演奏会場との打ち合わせ
  5. サイト更新・ツイッター告知・チラシ作り(会場への発送)
  6. ツアー参加者向け日程表作り
  7. 演奏曲決め・譜面ファイル準備
  8. 練習
  9. 旅の準備(楽器・機材・衣装・カメラ・その他 通常の旅支度)

今回私が行ったのは④~⑨です。 ①~③は代表がやってくれました。


◎会場決め&告知活動◎

演奏受け入れ先を決めるのは特に重要な仕事で、やはりボランティアで演奏するだけの意義とニーズがあるところでやらないと、あまり意味がありません。
無理矢理押しかけて行くよりも、演奏して私たちが嬉しい、演奏聴けてお客さんが嬉しいという相思相愛の関係を築きたいというのは正直な気持ちです。

演奏会場を決めるための方法はいくつかあります。
一番スタンダードなのはボランティアセンターに問い合わせをすることです。
そこで演奏のニーズがありそうな会場を紹介してもらい、代表が直接電話をかけて交渉するという手順です。

その他に、インターネット(主にTwitter)で知り合った方の紹介や、前回のツアーで現地で知り合った方に連絡をとってそこからの紹介で決まった会場も何カ所かあります。
(後ほど書きますが、食事処で偶然知り合った方や、共演した地元のミュージシャンの紹介で仮設住宅での演奏が実現しました。)

交渉の際に「こういう演奏者がこのような曲をこのようなスタイルで演奏します」という明確なイメージを伝えられることがとても重要です。

そのため、メンバープロフィール・レパートリー曲・連絡先等が明記されたチラシをあらかじめ作っています。
それをFAXやメールで送って見ていただくというのが話が早いです。
私たちのグループの場合、チラシは高齢者・一般向け子ども向け2種類を作っています。
実際に以下のサイトにそのチラシがありますので参照してみてください。

参考: 元気にうたおう!プロジェクト


このサイトは私たちの活動の情報が全て載せてあるサイトです。
アクセス数はたいして多くはないと思いますが、情報をまとめておき、いつでもすぐに見てもらえるようにしておくというのは、お互いにとって非常に有益なことだと思います。

このサイトにはそのチラシ以外にも企画書や、チラシ以上の情報量のある演奏者プロフィールや写真データ、過去の活動履歴等が全て1ページにまとめてあります。
このサイトを作るだけで相当な時間を費やしていますが、それだけの価値はあったと思います。

それとは別に各会場との打ち合わせの際に、専用のチラシが必要かを聞いて欲しいという希望があれば、その会場専用のチラシを作って郵送で送ったりメールでデータを送ったりしています。
実際に今回作ったチラシはこういう感じです。→PDF

同時にTwitterで自動的に情報をツイートするように設定しておきます。
これをbotというのですが私が使っているのはTwittbotというサービスで、あらかじめ設定した告知ツイートを数時間ごとに流しておくと、見たひとがリツイートしてくれたりして、気仙沼の方々に伝わる可能性が高くなります。

今回は、ネットで情報を見て、実際に会場にわざわざ聞きに来て下さった方がけっこういらっしゃって、効果を実感しました。
無料だし、やれることはやるべきですね。

◎打ち合わせ◎

演奏日程が決まったら、今度は私が担当者の方々に電話をかけて具体的な打ち合わせをします。
打ち合わせ内容は私たちの場合はこんな質問をして、準備をします。

  1. 会場の広さ・どのような部屋を使うか
  2. お客さんのだいたいの人数・年令層等・障害者施設の場合は障害の度合い
  3. 設備(ピアノ・マイク・スピーカー・電源等の有無)
  4. 入り時間や着替え場所
  5. ネット告知の可否、施設の利用者以外の一般客の入場の可否
    (施設によっては利用者のプライバシーの問題でクローズにする場合もあるので必ず確認)
  6. チラシが必要かどうか
  7. リクエスト曲やその他の希望があるか

演奏会場が8カ所もあるとどこがどんなだかわからなくなるので、パッと見てわかるように表にして、しおりを作ります。
表には打ち合わせで聞いたこと意外に、基本情報(演奏日時・住所・電話・担当者名)も必ず一緒に書いておきます。
ようするにこのしおりを見れば旅の内容が全部わかるようにしておきます。
移動しながら次どこで何をするんだっけ?というのを思い出すのはけっこうしんどいですので、とにかく情報を整理することが大切です。

◆曲決め&練習◆

今回の演奏会場は保育所・仮設住宅・高齢者施設・病院・児童施設・番屋と多岐にわたりました。
これらの会場で全て同じプログラムで演奏するわけではありません。
しかも、今回は半年前に行った施設へ2度目の訪問もありますので、そこでは前回と曲を全て入れ替えなくてはなりません。

また私たちのグループは「げんきに歌おう!プロジェクト」です。
私がひとりで歌うのだけではなく、会場のみなさんと一緒に歌うという時間を必ず設けるようにしています。
長い時間はとれない中で、どれだけ楽しんで歌っていただけるかを考えて選曲し、それらの歌詞をファイルに入れて40冊用意して会場に持参しています。
(この作業はアキコさんがやってます、)

今回は秋の曲6曲をメドレーにしたものや、子ども向けにはジブリソング等を用意しました。
一般向けには抒情歌・クラシック・ミュージカル・ディズニー等の私がもっとも得意とするもの意外にも、歌謡曲や北国が舞台の演歌!も練習しました。

実際の客層や反応を見て、その場でプログラムを入れ替えて演奏する場合もあるのでその予備曲も含めてプログラムを8カ所分考えます。
今回のツアーは全部で43曲、メドレーの中の曲も1曲で数えていくと60曲以上用意していきました。

私は60曲分の歌詞をすべてファイルに入れて、すぐに見られるように準備しています。ページ数としては50ページ以上になりました。
この原稿も全てPCで作って印刷、ファイリング。これだけで1日作業です。
ピアニストのアキコさんにいたっては、これだけの曲数のコピーをすべて準備してファイリングするのは超大変。

これらの準備をコツコツとすすめるだけの気力や準備・選曲のノウハウ、そしてなんといってもレパートリーの曲数がたくさんないと、演奏ボランティアはなかなか大変なように思います。
ボランティアではありますが、プロフェッショナルとして高い技術とノウハウを持った演奏者じゃないと活動は難しいです。
誤解を受けるかもしれませんが、難しいというよりは、ノウハウと技術がないのであれば、ハッキリ言って東北へ演奏ボランティアへ行くべきではないと思います。

自分のキャリアで培ったものを発揮してこの活動を行えていることに、誇りを感じています。
同じようなことができるという自信のある演奏家とその支援者はぜひ活動をして欲しいです。
本気でやれば、必ず喜んでいただけますし、被災者の方々の心に寄り添うことも可能だと思います。(もちろん全員じゃないですけども。)

◆旅支度◆

ふつうの旅の準備はまあいいとして。(気温がよくわからなかったので上着は迷いましたけど!)
重要なのは演奏にかかわる準備です。

1.キーボード&キーボードスタンド&折りたたみ椅子
ピアノがある会場はすごく少ないです。軽くて機動力のある機種を買うべし。
椅子は高さがあわないと弾きにくいので折りたたみ椅子も持参必須

2.アンプ&マイク
広い会場ではスピーカーが必要です。が、もちろんそんなものはない会場がほとんどです。
マイクとキーボードをつなげるアンプ内蔵スピーカーを持参。
マイクもマイマイク持参。マイクケーブルも3mと長めのものを。

3.延長電源タップ
キーボードやアンプをつなぎます。
コンセントが遠い場合もあるので絶対必要

4.譜面台
これはワタシ用。
本当は全部暗譜して行くのがベストなんですが60曲暗譜はボランティアではちょっと難しいので、申し訳ないですが譜面台置かせてもらいました。ゴメンネ。

5.衣装
これはワタシのこだわり。
ボランティア演奏はジーンズや普段着で行う方が主流です。
華美な格好は避けるというのもわかりますが、ワタシはあえて華やかな衣装を着ます。

これは過去のボランティア活動の積み重ねの中で絶対の自信をもっているノウハウのひとつです。
非日常の夢の世界を見ることが喜びにつながります。
わたしのようなチビがチビのまま普通の服で歌うよりも、超高いヒールですらっと背が高いように見せて、お姫様のようなドレスを着て、華やかに光るアクセサリーとお花で顔のまわりを飾って歌うことは、演奏そのものよりも意味があると信じています。

その衣装で登場した瞬間に会場の空気が変わるのは演奏という意味でも絶大な効果です。
絶対に衣装はドレス!!鉄板です。荷物すっげかさばるけどね!(パニエ2枚とでかい靴がね・・・)
今回は2回目の会場もあったのでドレス2枚持参。

それから、これはけっこうナイスアイディアなのですが、一日に何カ所も回る場合、いちいちガーメントケースにドレスを戻す時間がない場合もあります。
なので脱いだドレスをがさっと入れられるような大きくて丈夫な紙袋をひとつ持って行くことをおすすめします。
そしてぐちゃぐちゃに紙袋に入れてもシワになりにくい衣装を選ぶべし!!これけっこうなノウハウよ?

ということで、準備編はここまで!
次の記事は実際の活動記録となります。

今日の記事はボランティア演奏活動をすることに興味ある方しか面白くないかも知れませんが、できるだけノウハウを自分だけのモノとして取り込まずに共有したいと思って書きました。
良かったら、有効な情報はマネしちゃってください!

コメント

  1. satokokimura より:

    【ブログ更新しました】 :  【被災地支援】【第3回東北ツアー日記 その1】準備編 – http://t.co/RG9jRMBT

  2. satokokimura より:

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  3. satokokimura より:

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  4. satokokimura より:

    過去記事: 【被災地支援】【第3回東北ツアー日記 その1】準備編 http://t.co/kU1sxxcI