今回は結論から先に言っちゃいますよ。
iPadで譜面PDFデータを使うときに手で液晶をスワイプせずに、専用ペダルを使って足で譜めくりできるようになっちゃいました!
この記事はそのご紹介ですが、おしゃべりな私はそこに至る過程も話さずにいられません。
お前の個人的なそんな話いらんわ、って人は次の項目はざーっと飛ばして。ざーっと。
◆その前に宣伝◆
2015/4/18(土)の12:00~13:00に高田馬場で無料のファミリーコンサートやります!
ディズニーソング・童謡・ポップス・抒情歌等ご家族で楽しめるプログラムです。
私が主役の吹き替えをした「魔法にかけられて」やコーラス参加した「アナ雪」からも歌います。ぜひ遊びに来てね!
詳細 → http://satoko-kimura.com/blog/2015/02/25/20150418_freelive/
◆長い前置き◆
いつも通りの長話、開始。
わたくし、プロの音楽家ですので譜面をたっっくさん扱います。
ただ譜面を読むだけではなくて、諸々の事情で自分で作成したりもします。
(伴奏譜だと見にくくて長いからメロディー譜を作ったり、移調譜を作ったり、編曲譜を作ったり。)
もう10年ほど前からFinaleという譜面作成ソフトでPC上で楽譜を書く作業を延々してます。そして作成したFinale譜面データはPDF化して保存。
そしてScanSnap。
わたくしオタクが高じてメーカーのPFUさんからアンバサダーに任命されまして日夜おいしい思いをしているわけですが、このドキュメントスキャナーを使ってペラ紙の譜面は紛失しても困らないように必ずPDFにしてデータ保存しています。
A4サイズはiX500、A3サイズは二つ折りした原稿もスキャンできるiX100を使っています。どっちか1台はつべこべ言わずに日本人全員買ったらいいと思うの。
参考→ScanSnap iX100が大迫ハンパなさすぎて前回の記事いったんリセットの件
とにかく紙の譜面の整理整頓は本当に難しいし、行方不明になってしまうことが多いのですが、データにしておけば検索すれば必ず見つかりますし、印刷し放題です。
で、5年前に初代iPadを購入してからは、データを読み込ませて液晶画面を見て練習したり教えたりするようになりました。
iPadは初代・2・mini・Airと歴代4台。現在はAirとminiを現役で使っています。
iPad Airは外に教えに出かけるときも必ず持ち歩いて、伴奏譜をiPadに表示させ、隣に紙のメロ譜(生徒さんに配ったもの)の両方を見ながらピアノを弾きつつ歌の指導をしています。ちょっとかっこいいでしょ、アタシ。
そんな先生に習ってみたいと思わない? → 木村のレッスン詳細
さて、紙ではなくiPadで譜面を見るときのメリット・デメリットをまとめてみます。
—————————–
◆メリット
- 目当ての曲を探すのが簡単
- 紙がバラバラしなくてスッキリ
- レコーディングのときにめくりの音が入らない
- 譜面を忘れてもDropboxからダウンロードできる
- 部屋が暗くても見える
- 紙が手前に倒れたり空調で飛ばされない
◆デメリット
- しょぼい折りたたみ譜面台に乗せると不安定で怖い
- 画面がB5よりちょっと小さいくらいの大きさなので、視力が弱い人は使えないかも
- 見開き2ページで見られない
- バッテリー切れを起こさないように気を使うね
- 1ページ表記だから譜めくりの回数が多くて大変!
—————————–
私にとってはデメリットはたいしたことないことばっかり。ほぼメリットオンリーと言っていいくらい。
しかし、その中で譜めくりだけはちょっとイヤだなぁとストレスを感じていました。
とくにダル・セーニョからセーニョに戻ったり、コーダに飛ぶときね。
3ページ戻るみたいなときって、iPadの液晶左側を3回連続スワイプ。
どんなに急いでも間に合わないんだな、これが。
左手で弾いてるベースの方が大事な音なのに左手が鍵盤から離さざるをえないし。
足でページめくれればいいのに!
ってずっと思ってました。この5年間ずっと!!
で、このたび。
前述の譜面作成ソフトFinaleを最新版の2014に買い直したのを機に、自分の譜面データベースをブラッシュアップするべく作業開始しまして、それと同時にどうしても足で譜面をめくりたい欲が我慢できないほどにわき上がってしまって、ググってしまった次第であります!!
毎度毎度の前置き長っ!
ここから本題。
◆買うのか、買わないのか◆
「iPad 譜めくり ペダル」で検索。
あっさりトップでヒットのAirTurn。
→ http://www.apollonmusic.com/airturn/
要するに譜めくり用ペダルというモノ自体がこれしかないみたい。
だから買うならこれみたい。機種はいくつかあるみたいだけど。
でもこのページおしゃれだけど詳しいことあんまわかんないわ。
実際の使い勝手や対応アプリはどうなってるんだろ?
ということでもう少しグーグル先生の検索ヒット結果を下にスクロールして役に立ちそうなレポ記事を探すことに。
あ、有名ブロガーのイケダハヤトさんの記事だ。見よう。
参照: ミュージシャン必見!ペダル型の譜めくりガジェット「AirTurn BT-105」
・・・チッ、なんの情報もねぇな・・・。
いや、ごめん。ただの紹介だからこんなもんよね。
でも実際に使っている人のリアルなナマの声をぉぉ!!
ということでちょっと下にあったこちらの記事。
参照: iPad譜めくりシステム完成!
ありがとうありがとうありがとう、micmacさん。この記事最高です。
AirTurnの使い勝手もわかったし、iPad用譜面アプリも紹介してもらえてありがたやありがたや。
この記事読んでAirTurn買うことは100%確定しますたっ。
おまけ。
アーハハハ、こんなヘンタイガイジンも発見。いいねぇ、熱いねぇ。
参照: ピアノ演奏中に「足踏みペダル」で楽譜をめくるシステムをDIYした動画
◆機種選び◆
買うことは決めたものの。
AirTurnにはシリーズでいくつかの機種があります。
おおむね以下の4つ。ペダルの組み合わせで実際はもう少し機種があります。
③BT-105 DIGIT :17604円(純正ペダルセット)
④AT-104 :8424円(ペダル別売りで1個3780円)
②BT-105が今までは標準的に選ばれていた機種みたいです。
真ん中の小さなボックスが送信機本体で両脇の大きめボックスは純正ペダル。
純正の小さめペダルがついたセットにするか、他メーカーのもっとしっかりとしたペダルとのセットか選べる模様。
前述のmicmacさんが使っているのもBT-105で、BOSSの大きめペダルとのセット。
③DIGITは送信機BT-105本体に指で押せるボタンがついてるバージョンで、ペダルなしで手でも操作できる機能がついた機種。iPad使ってプロジェクター出力してプレゼンをやる人にはちょっと気になる機能ですね。
④AT-104はパソコンのUSBに接続する送受信機セット。PCにBluetoothがないならば、Bluetoothの受信機を買えばいいのでは・・・と思った。これは完全除外して良さそう。
さて、情報が全然ないのが①Bluetooth PED。
なんせ日本で取り扱いが始まったのが今月。
もしかして日本国内でこれを持っている人って、まだ二桁じゃない?
海外サイトの展示会での動画とかは見つかるんだけど、ユーザーレポみたいなのはあんまないのよねぇ。
公式サイトにも大きさとか重さとかも全然書いてないんですけど!!
ということで聞いてみた。輸入販売している楽器屋のあぽろんさんにメールで。
以下まるっとコピペ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1.以下の機種の大きさ・重さを教えて下さい。
・Bluetooth PED → 152g, 15.3㎝×11.4㎝×1.7㎝
・BT-105 DIGIT(本体のみ) → 40.5g, 5.6㎝×7㎝×108㎝
・純正ペダル → 84g, 6㎝×10.1㎝×1.7㎝(1個分)
・BT-105DIGIT 純正ペダルセット → 257g, 17.7㎝×14.5㎝×2.2㎝ (ケーブル含む大きさ)
2.BT-105純正ペダルセットはBT-105本体は外れるとありますが、ペダル固定で外せないようになっているのでしょうか?
→ 現在はペダルも取り外しが可能となっております。かなりしっかりと固定されておりますが、ドライバーなどを挟んでいただければ、女性でも取り外し可能です(取り外しの際は固定しておりますパーツの破損に十分お気を付けくださいませ。ゆっくりと外していただければ、破損はいたしません)
ペダルを片方のみ取り外すことも可能ですが、ペダルの下にペダルボードがございますのであらかじめご了承くださいませ。
3.東京在住ですが、実機を実際に試せるお店は関東にはありますでしょうか?
→ 大変申し訳ございませんが、当社は新潟県内のみに実店舗を構えさせていただいております。
都内での販売につきましては、現状行っておりませんので、インターネット販売のみとさせていただいております。ご案内ができず、誠に申し訳ございません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とてもいいお店です。あぽろんさん。全部答えてくださいました。
でも新潟にしか実機がないのね。悲しい。
さて、私の場合は外でのレッスンに持って行きたいので携帯性が命です。
BT-105(DIGIT)を使うと一番軽い純正ペダルでも260g、しかもパーツが3つ。
うーん、ダメだ。絶対使わなくなるパターンだ。
ということで情報は少ないものの、新製品のBluetooth PEDに決定。
安いし軽いし、まあ他を選ぶ理由はないよな。
ぽちっとな!!
AirTurn(エアーターン) Bluetooth PED |
◆到着&開封◆
楽天には「直輸入お取り寄せ」となっていたので10日くらい到着までにかかるかなぁと思っていたら、2日で届いたょ。
最初の印象は、かるっ&ちいさっ!でした。
重さと大きさは聞いてたけど、ペダルだという先入観で頭の中でもっと大きいモノを想像してました。
文庫本とほぼ同じサイズです。
開封してみる。
文庫本とやっぱりほぼ同じサイズです。
ちなみに下のピンクのがiPad Air。
箱の中に入っている英語マニュアルは読まねぇぞ。
こんな単機能機器、マニュアルなんかいらねぇぞ。
絶対読まねぇぞ、読めねぇぞじゃないよ、読まねぇぞ!!
◆使ってみた◆
いざ、接続。
micmacさんの記事では冒頭に接続プロファイルが勝手にPC用に切り替わってiPadに繋がらないというような記述があり、それが大変気になっているのですが・・
電源ボタンを1秒間押す。Bluetoothランプ点滅。
iPad側の「設定」->「Bluetooth」でBluetooth PEDが出てきたらタップ。
あら、あっさり接続。
プロファイル云々のトラブルはまったくありませんでした。やたっ!
ではでは、micmacさんオススメの譜面アプリ「forScore」を立ち上げます!
1000円もするけど買ったよ!
ページ戻りがラクだっていうからぁ。
書き込みもできるって言うからぁ♪ (← 一部裏声で。)
forScore (¥1,000)
販売元: forScore, LLC – forScore, LLC
☆価格は記事執筆当時のものです。
いよいよ緊張の一瞬、ペダルを押す!
・・うぉぉぉぉ!!
めくれためくれためくれたぁぁ!
左ペダルはもどるぅぅ。
か・・・い・・・か・・・ん。
接続からforScoreでページをめくるまでの動画を撮影しましたので、ぜひご覧下さい。
ペダルのクリック感はないのですが、それはつまり音が出ないということでもあるので、演奏中に使うことを考えればその方がいいかも。
足で踏んでも感度良好。
ペダルの裏には滑り止めもついてて、わかってる人が作ったって感じ!
(ただしカーペットではペダルが沈んで反応がとても悪くなるので、板のようなものを下に置く方がいいです。)
うぁぁ、これで私の10年来の夢が叶ってしまった。どうしよう、叶ってしまった。
思えばFinale2014を買ったのも、スキャンした譜面を読み込んで画像ではなくFinaleの譜面データとして変換する機能があったからで、それが実際に使ったらかなり高性能で10年来の夢が叶ったと思ったばかりだったわけで、この譜めくりペダルは10年来の夢叶ったパート2だったわけなのですよ。
アタシ、もう燃え尽き症候群になりそう。
そ、その前にフルーティストの義妹にもこのペダルを勧めよう。
彼女、機械弱い上にそもそもスキャナもiPadも持ってないんだけど、それでもただただ自慢しよう。
え、あたしイヤな小姑?
◆i文庫HDで使う◆
今まではforScoreアプリではなくi文庫HDという電子書籍リーダーアプリで譜面PDFを表示させていました。
このアプリは自炊電子書籍を読むのに最適・最強のビューワーアプリで、初代iPadのときから愛用しています。
もしも願いが叶うなら、吐息を白いバラ・・・じゃなくて、i文庫HDでもPEDを使いたい!
で、譜面だけじゃなくて自炊コミックをペダルでめくりたい!
カフェで手はパンケーキ切るのとコーヒー飲むことだけに使いたい!
ロイヤルホストの朝のパートのおばちゃんに「なんかさ、いつもヘンな機械でヘンなことしてるヘンな女の人よく来るよね」って厨房で噂されたい!!
記事も異様に長くなってきたので結論。
試行錯誤の上、できた。
っていうか試行錯誤はほぼ無駄で日本語マニュアルのダウンロードができることに気づいて、それ読んだら即解決だった。
日本語マニュアルは勝手にリンク張るのはたぶんダメだろうから、該当の箇所を解説。
PEDの譜めくり信号は基本的には独自信号なんだけど、モードを切り替えることによって、Bluetoothの無線キーボードのキーをタイプ時の信号を出すこともできます。
MODE 1: PEDの独自信号(iOSのみ)
MODE 2: ↑ ↓
MODE 3: ← →
MODE 4: PgDn / PgUp
MODE 5: Space / Enter
MODE 6: マウスの左クリック / 右クリック
Bluetoothキーボード使って確認したところ、forScoreは上記のMODE2~5の4モードに対応していました。
(意外なことにMODE1には非対応っぽかった。というかこのモード自体がPEDのみの新機能らしくてほとんどのアプリはまだ非対応なんだと思う。PEDの出荷時の設定はMODE2らしいです。)
そしてi文庫HDは設定画面でBluetoothキーボードの特定のキーを指定して、ページめくり・戻りを行うことができるようになっています。
なので← → キーに割り当て設定を行って、さらにPEDをMODE3に切り替えたところ・・・。
ぐほぁ! Bluetooth PED、i文庫HDでもページめくりできますたぁぁぁっ!!
嬉しい。もう、本当に嬉しい。
すごく嬉しいから、もう実際に自炊マンガでペダル使わなくても満足。
だって普通に考えたら手でめくった方が簡単だし。
で、その様子を動画に撮影してみました。モード切替も動画見れば簡単。
※i文庫HDはキー割り当てを自由に設定できるので、PED出荷時のモード2の「↑/↓」に割り当てればPEDのモード切替は必要ないと予想されます。
◆今後の展開?!◆
今回はi文庫HDで使いましたが、他のアプリでもBluetoothキーボードで操作ができるアプリであれば当然反応するはず。
古田社長の「おやゆびでお」もどうも対応するっぽいよ??
足で10秒戻しとか30秒早送りとか、できちゃうようになるみたいだよ?
っていうかすでにPEDに対応した新バージョンを申請してるってよ!!
おやゆびでおは、片手だけで動画視聴にまつわる操作がラクにできるように設計された再生アプリです。
特に便利なのは任意に設定した秒数で戻ったり、早送りしたりができるところ。
今なんて?と聞き逃した分だけスッと戻れます。
その操作が足でできるようになるってことですね。
社長が言うには、インタビューの撮影動画を見て5秒戻し等の操作をよく行うひとには手をキーボードから離さずに足だけでその操作ができて超絶便利になるぞってことですよ。
ライターの方、チェケラ!
あとはベッドやソファで自堕落に動画みて液晶まで手を伸ばしたくないときとかにいいですね。
おやゆびでお 片手操作に特化した動画プレーヤー (¥300)
販売元: KAZUYOSHI FURUTA – KAZUYOSHI FURUTA
☆価格は記事執筆当時のものです。
コメント
初めまして!
Webサイト欄にアドレスを入れましたが、
「電子楽譜端末」の開発が進められているようです。
FB でNOMOS で検索しても少し情報があるみたいです。
参考になりますか?
◆松内勝寿さま
コメントありがとうございます。
リンク先、なかなか興味深いです。
一度試作品の実機を触ってみたいです。
見開きで2台使うのは素敵ですが、場合によっては1台だけで見たいときもあるので、両方で使えるといいなぁと思います。
フットスイッチって選択肢少ないなあ
Ipad2台でやるやつないのかな
片方を読んでる間に片一方が切り替わるみたいなの
◆あああさま
「富豪ブック」というアプリで2台ならべて[1|2]のようにして2をめくると[3|4]にしてくれるという機能が使えます。
が、めくりの挙動が気にくわなくて使えない・・・と思った記憶です。
あとペダルが使えません。
そもそも「片方を読んでいる間に片方が切り替わる」というのは[1|2]で2を見ている間に[3|2]に左側のページが次に行き、2が終わると[3|4]にできるという意味ですか?
それができるアプリがあれば、5000円出しても買いますね!