音楽で仕事するなら全員、譜面をFinaleで作成できるようにしとけという説教

finale2014_top

しょっぱなから「説教」ってのは言いすぎました。
でもね。音大でFanele(もしくはシベリウス)の授業は必修にしろよとマジで思う。

私の場合は演奏だけじゃなくて、教える仕事が収入のかなりを占めていますけど、生徒さんに配る譜面は出版されているものが使えない場合がかなりありまして、自分でパソコンで作成したものを使うのが実は7割以上。
教える仕事を本格的に始めてからの3年間は死ぬほど譜面作りをしまして、いまそのデータがめちゃくちゃ役立っております。

教えだけじゃなく、ライブの時なんかも、バンドメンバーにパート譜作ったり、移調楽譜作ったり全部パソコンよ。
一度作れば、また使えるし、さらに改変もできるし。

なにより手書きの楽譜よりずーーーーーっと綺麗。

ミュージカルで歌唱指導に入っている仕事では、作曲家からデータが投げられてきて、変更点を全部私がパソコンで訂正するという仕事を任されたりすることもあります。
普通の歌唱指導者にはできない仕事で、ハッキリ言うとその作業分は別ギャラでいただいております。

パソコンで譜面書けることで、普通に年収が違ってくると思う。
超大物売れっ子ミュージシャンなら、チマチマした作業は別のひとにやらせりゃいいんだけどね、そうじゃなければ外注なんてできないよ?
むしろ外注をもらえるくらいの技術、あって損はないよ。
つうか会社員がパソコン使えないってありえないじゃん?
音楽家がPCで譜面書けないとかあり得ないっていう時代はすぐそこだと思うの。

ちなみにディ○ニー映画でいつもご一緒するディレクターさんは、吹き替え版で大量の直しが出て、原語の譜面に書き足すのでは見にくい場合なんかに、パソコンで譜面を作り直したものを配ってくれます。
本当にすごいと思う。でも、必要があったから勉強したってことだと思うの。
いわゆるミュージシャンではないのに。
(その方は台詞の演出もするのですよ。すごすぎてよくわからん。

これ以上語ると長くなりそうだから、次の項目でメリットまとめまくります。
記事の最後に木村の行う譜面作成レッスンのお知らせもあります。

木村聡子PR
木村はオタクですが本業はプロの歌手・声優です。(ProfileVocal
主な出演作:ディズニー「魔法にかけられて」ジゼル(主役)・「アナと雪の女王」
「美女と野獣2017」・「名探偵コナン~戦慄の楽譜~」千草らら役歌唱 など。
メインのSNSはFacebookで、twitterに転送してます。
Instagram(親バカ写真)もちょこっとやってます。
Welcome Symphony
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◆譜面がかけるメリット◆

こういうことができるようになるよっていうのを箇条書き。

・メロ譜作成:
ピアノ弾き語り譜はページ数が多くなって、年配の生徒さんには長く感じて負担。
メロ譜にすると全体像がわかりやすくて練習がはかどる。

・表記を大きく:
年配の生徒さんは目がアレなことが多いので大きく書いてあげるとすごい喜ぶ。

・移調譜:
年配の生徒さんは高い声が出にくいので低くキーチェンジしてあげると、いままで挑戦できなかった曲を歌えて超喜ぶ。
生徒さん個人に合わせて、その場で調を変更して印刷するのも1分でできる。

・フリガナ:
年配の生徒さんは外国語が苦手。大きめに作ったメロ譜にさらにカタカナで歌詞を書いてあげると頑張って練習してくる。
やばい、年配の生徒さんの話ばっかじゃんww
いや、若い生徒もわたしけっこういるんだけどね。

・日本語譜面作成:
ミュージカルなんかだと原語でしか譜面が出版されてないものがかなりあります。
その譜面に日本語の歌詞を振ると譜割がかなり変更されてて歌えない場合があります。
イチから日本語メロ譜を作ることができます。

・カラオケ作成:
私の場合はピアノ譜をPCで打って、そこからカラオケ音源にするという使い方もしています。
この音源公開ページ↓で使用のカラオケはかなりの割合でその方法で自作したものです。

・レイアウト変更:
出版された譜面は出版社の大人の事情で異様にページ数をたくさん使ったものが多いです。
この譜面は見開き2枚(つまり4ページ)で余裕で入るのに、6ページ分無理矢理つかっている、とかザラ。
そういうのも自分の見やすいレイアウトにできるし、演奏のときにページめくりがしやすいように位置調整もできます。

・ちょっとした編曲:
ライブ用にメドレーを作ったときなんかも、別の譜面を繋げると曲間につなぎの音なんかを入れた場合に管理が難しいけども、最初からPCで作成できれば、いつでもそのデータでまた演奏できるし、さらに変更を加えることもカンタン!

・とにかく綺麗:
一番のメリットよね。
手書きの楽譜ってプロの写譜屋さんのものでもない限り本当に読みにくい。
綺麗に書こうと思ったらすごく時間かかるし。
パソコンなら同じフレーズはコピペできるし、間違えたらあとからいくらでも訂正できる。

・データで送れる:
PDFにしてサクッとメール送信できる。
自分で使うときも印刷せずにタブレットで演奏することも可能。

・鍵盤入力できる:
譜面上をクリックして譜面作成もできますけども、断然オススメはMIDIキーボードでの入力。
キーボードってタイピングの方じゃなくて鍵盤の方ね?
USBでPCに繋げられる小さなキーボードが4000~6000円くらいで購入できるのでそれをPCに繋いで、[ド]を押せばソフト上で[ド]の音符が記入されます。音の長さはテンキーの数字で指定できます。
和音なんかは[ドミソ]をキーボードで同時に弾けば、やはりそのように和音で記譜されます。お便利~。

・音を出して確認できる:
譜面って写し間違い、書き間違いは絶対にやらかすものなんだけど、PCで作った場合、譜面作成ソフトが音を出してくれるので、たいていのミスは発見できます。

書き漏らしがあるような気がしてならない。
つまり、メリットは無限大。

は?
デメリット?
ねーよ。

◆Finale◆

わたしが約10年前から使っている譜面作成ソフト。
それが。

Finale(フィナーレ)です。

バージョン2005から使ってて、2016年現在の最新版は2014です。
(追記:2016/12/14に後継バージョンのFinale25が発売になりました)

2014に買い換えてからまだ1年未満なんだけどねw
2005で9年以上やっていけてしまった。
そのくらいFinaleは老舗の歴史あるソフトです。

作成画面はこんな感じです。
finale_demo

2014にバージョンアップして感激した改良点はだいたい3つ。

①大きな液晶ならば2ページ見開き状態で作成・編集できる。

以前は1ページしか表示できなくて、次のページに移動するのはスクロールではできず、小さなボタンをクリックしなくてはならなくてけっこうストレスでした。

②スコアのファイルをひとつ作れば、その1ファイルの中でパート譜の管理も全てできる

前は[ヴォーカル&ピアノ譜]と[ヴォーカルメロ譜]は別ファイルで作成する必要があり、変更点がでたら双方のファイルを編集する必要があって管理が大変でしたが、現在はどれかひとつ直せば全てのパート譜が訂正されるので作業がすごく楽になりました。
レイアウトはスコア(ピアノ&ヴォーカル譜)とパート譜(メロ譜)でそれぞれ個別に指定することができます。でも、1ファイル管理なのです。

③スキャン画像の譜面を読み込める

これ、目玉機能な!
既存の譜面の移調譜やメロ譜を作るときに手間が半分以下になりますぜ。
スキャナで画像保存した譜面データをFinaleに流すと、それを自動認識して譜面データとして変換して、その後それを移調したり訂正したりできます。
つまり、譜面のOCRですね。
写譜や移調をよくするひとはこのために買っても高くないと私は思います。
追記:Finale25からは著作権的観点からこの機能はバッサリ削除されました。残念。)

◆お値段◆

高くないって言ったけど、安くはないです。
専門アプリですから。

しかし、安心して下さい!
30日間無料の体験版ありますよ!!
(201612/24追記:最新版25になって体験版は準備中になっています。
そのうち公開されると思います。→さらに追記。1年経っても公開されないYO!)

体験版でも機能制限なしですよ!
まずはインストールしてみて!! ↓↓

これで試してみて、よっしゃ今後どんどん使っちゃる!となったら購入しましょう。
学生や音楽の教える仕事をしているひとはアカデミック版で2万円ほど安く購入できます。
以下、価格一覧&リンクです。
追記:リンク先Finale25に書き換えました。)

【一般人の方】 (学生や教職員以外)

Finale25・DVD版 59800円

ダウンロード版 54800円

DVD版の解説本セット 62800円
(5400円の本が3000円になる計算)

【学生・教育関係者】

アカデミックパックは学生や教師、音楽教室講師など、資格のあるひとしか購入できません。
対象者と申請の方法についてはこちらで確認してね↓

アカデミック・DVD版 37800円

アカデミック・ダウンロード版 34800円

アカデミック・DVD版・解説本セット 39800円
(5400円の本が2000円になる計算。お得!)

【解説本】

一番詳しいマニュアル本「Finale25実用全ガイド」 (5400円)。
上の解説本セットに使われているのはこの本です。
Finaleのマニュアルはヘルプデータでしか提供されていないので、紙のマニュアル本が欲しいならばこの本ということになります。
が、私は持っていません。だいたいヘルプで事足りるのです。

ワタシ的にはこっちの「Finale2012超速マスターガイド」の方がオススメ。3024円。
残念ながらふたつ古い2012年版の解説本ですが、ほぼ問題なく最新版でも使えます。
実際に「こういう表記がしたい」というときにその記法の名前がわからないとヘルプで検索できないのですが、この本は実際の譜面の実例を載せた上で、つまずきがちな箇所を赤丸で囲って、この記法は何ページに解説あるよ、というような方式で教えてくれる本です。
この本でかなりの使い方をストレスなく調べることができます。

【MIDIキーボード】

これがないと話になりません。
このミニキーボードをPCにつないで鍵盤で弾いて、譜面上に音符を書いていきます。
場所に余裕のあるひとはフルサイズのものが一番いいのでしょうが、譜面作成専用ということで割り切って安くて小さいものがいいのではないかと思います。
ワタシは10年前に購入したカシオのMIDIキーボードを使っていますが、残念ながら廃盤になりました。
本体だけで音を出すことができるので、譜読みにも使えてすごく良い製品なんだけど・・・。

現在販売されている小型MIDIキーボードは単体で音は出ないので、完全に譜面作成用となります。
価格と鍵盤数のバランスで考えるとコレしかないかなぁと思うのがこちらです。
友人がこれを買ったので、使わせてもらいましたが、全体のサイズ感や鍵盤の幅や使い勝手など、とても良いキーボードでしたよ!

Keystation Mini 32

【スキャナ】

譜面OCR機能は現バージョンの25からは削除されました。
持っているなら買う必要はありません。
複合プリンタがあるならもちろんそれでOK。

今から買うなら選び方はふたつ。
「とにかく安いもの」か「ほんとうに便利なもの」かです。
後者は残念ながらそんなに安くはないので、まずはお安い方から。
フラッドベッドタイプのスキャナです。 (安いっても9000円くらいする)

そして、わたしの真のオススメスキャナ。
こちらの機種では、本から読み取る場合は一度コピーをしなくてはなりません。
それが欠点と言えば欠点ですが、そもそも譜面ってすでにコピーで使ってるものがほとんどじゃないです?

それをこちらのScanSnap iX100で読み込みましょう。
なんと、A3用紙を二つ折りした状態のままスキャンできます。
音楽家が最も使うサイズのコピー譜でしょ。

この機種のことなら、この解説記事を読めください。

◆レッスンしてあげてもいいよ◆

こっからは蛇足ね。

いくら高機能とは言え、いや、高機能だからこそ完全に独学でこのソフトが使えるようになるのはかなり大変。
というか普通のひとには無理。よっぽどのマニアックなひとじゃないと。
言っておくけど、ワタシでも無理でした。
わたしもマンツーマンでみっちりしごかれて使えるようになったクチ。

しかし、音楽で食っていきたいと本気で思うならば、教えることや編曲することを視野に入れるのは当然の成り行きだし、そのために譜面を作成できるってものすごいアドバンテージになります。
書けないひとからは想像できないだろうけど、本当に生徒さんに感謝されるんだから。

だから、教えてあげますよ、ということで数年に一度のペースで、私の生徒さんに声かけて希望者を集めて朝から晩までかけて丸1日でFinaleの基本操作をマスターしようという講座を開いてきました。
一応講座は受けたけど、その後結局使わなかったひともかなりいますが、そのうちの数人は完全に使いこなして、仕事の幅をズババーン!と広げることに成功した子もいます。

たった1日頑張れば人生変わるよって言いたい。
あなたに本当に音楽で食べていきたいという情熱があるならば。

つうことでレッスン受けたいっていうひとはご連絡ください。
ただしマンツーマンで丸1日はレッスン代をたくさんいただかなくてはならなくなってしまうので、最低3人のグループを組んでお問い合わせください。

もしくは、個人の場合でもとりあえずお問い合わせを。
3人集まった時点で開講いたします。

レッスン代金は人数にもよりますが、一般的な1時間の個人レッスン2コマ分くらいと考えてます。
場所は高田馬場です。(東京ね。)

たぶん朝10~19時とかいう長丁場になると思います。
(飲み込みの早いひとなら、もっと早く、5時間くらいで終わります。友人がそうだった。)
その1日で一般的なピアノ&ボーカル譜の作成・移調譜作成・パート譜作成までできるようにしたいと思います。

レッスンに必要なもの
 ・ノートパソコン
 ・マウス
 ・テンキーがないPCならテンキーも購入必須→(こういうのMacは別かも。
 ・MIDIキーボード これら4点は持参してください
 ・Finaleは体験版でもOK(有効期限1ヶ月なので要注意)

※男性は知り合いの方or共通の知り合いのいる方のみとさせていただきます。ゴメンナサイ。
※マウス・MIDI・テンキーを繋ぎますので、USBポートの少ないPCの場合はUSBハブを使うか、その機能のあるテンキーをご用意ください。(このリンク先はそういうのになってます。)

お問い合わせ&申し込みはメールフォームよりどうぞ。

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